ホーム/開発・ご提案事例/オリジナル製品開発/ダートコーヒー株式会社様と考えるSDGs ─廃棄されるチャフの再利用について─

WORKS 開発・ご提案事例

ダートコーヒー株式会社様と考えるSDGs
─廃棄されるチャフの再利用について─

オリジナル製品開発

地元石川県を中心に、美味しいコーヒーを約80年以上提供し続けているダートコーヒー株式会社様。
昨今はSDGsにも積極的に取り組まれており、コーヒー豆を焙煎する前に取り除かれるチャフ(コーヒー豆の薄皮)の再利用を検討される中で混抄紙の存在を知り、お問い合わせいただきました。

SUMMARY

課題

・チャフ(コーヒー豆の薄皮)等生産過程で発生する廃棄物を再利用したい
・SDGsの観点からも輸送等のエネルギー消費による環境負荷を最小限にし、地元の発展に貢献できるよう、できるだけ地元企業にお願いしたい

中島商店から提案、行ったこと

・地元企業で作るチャフを利用した混抄紙の提案、開発
・混抄紙を利用した製品の企画・提案

成果

・チャフを再利用した混抄紙が製造できた事によって、単なるアップサイクルではなくブランドイメージをアップさせる製品の提案にもつなげる事ができた

コーヒー豆を焙煎した際に発生してしまう豆の薄皮。
破棄するのではなく、再利用することはできないか…

生産の過程でどうしても発生してしまう廃棄物。
SDGsの観点から、環境負荷を減らす破棄方法、もしくは何かしら有効活用できないかと再検討される企業様が増えています。

ダートコーヒー株式会社様もSDGsに真剣に取り組まれており、コーヒー豆の薄皮の処分、活用方法について検討される中で混抄紙の存在を知り、弊社へお問い合わせいただきました。

混抄紙とは、パルプに木材繊維以外の材料を混ぜ抄紙し仕上がった紙のことを指します。
どうしても企業活動の中で発生する廃棄物、例えば古くなったお米、洋服繊維のゴミ等、それらをパルプと混ぜて紙にすることができます。
弊社では、地元企業と協業し地元で行う提案ができるということで、ダートコーヒー株式会社様のSDGsの観点からもご希望に合い、ご依頼いただくこととなりました。

弊社では各工程の製造ノウハウのある企業へのやりとり等もすべて担当し、混抄紙の開発から製品化まで一括して行いますので、ご依頼者さまの作業負担も最小限に抑えることができます。この点でもダートコーヒー株式会社様から大変喜ばれました。

実際の開発について

今回ダートコーヒー株式会社様が日頃の生産活動から排出される廃棄物を再利用されたいとのことだったので、チャフ(コーヒー豆の薄皮)はもちろん、コーヒーのカス(コーヒーを入れた後の豆)でも混抄紙を作れないかチャレンジしました。

しかしながら、コーヒーのカスでは紙に混ぜられる状態にするため前処理に手間がかかりすぎてしまうため、チャフのみで製造することとなりました。
原料に混ぜる割合を決める為チャフを約100kg程度回収し、テスト抄きを行い、紙に現れる繊維の表情を確認し、配合率を決定。
見た目の美しさだけでなく、名刺や手提げ袋等へ活用するための原紙強度や印刷適性等も考慮しなければなりません。

また、通常は単一の紙厚しか作れないのですが、今回はテスト用に特別2種類の紙厚を作成し、その紙で製品に出来るものを検討しました。
便箋、封筒、メニュー用紙、名刺、手提げ袋、包装紙に至るまで製品化して使用する場面を
シミュレーションし最終的に採用するアイテムを決定します。

本格的に商品化するのは来年の予定ですが、今回は名刺用紙を作成してみました。
当社の宣伝用にも使わせていただく事も快くご了承いただきましたので、地元企業とのコラボレーションとして見本展示用の封筒をペーパーショウへも展示させていただく予定です。

 

※チャフとは
チャフというのはコーヒー豆を焙煎した際に出る、豆を包んでいる薄皮の事です。
通常は焙煎途中で焼けてしまいますが、全てが焼けてしまう訳ではなく、どうしても残ってしまうチャフが発生することは否めません。それらは廃棄することしかできなかったため、再利用できないか悩まれていたとのこと。

※混抄紙とは
混抄紙とは、木材パルプ以外を紙の抄紙時に混ぜて仕上げた紙の事を指します。
近年、企業活動で排出された残滓や廃棄物を紙に混ぜ、廃棄物の再利用として再び製品や商品として再利用する活動が盛んになってきています。
細かく粉砕する事で紙に漉き込む事が可能になり、既に保管期限の過ぎた備蓄米や、アパレルの廃棄品から繊維を取出し、それを漉き込んだもの、卵の殻を粉砕し紙に混ぜたものが販売されています。
ただ廃棄するだけではなく企業としてそれらをアップサイクルすることで有効利用できること、今まで廃棄していたものが商品になることで、その商品に想いを寄せることができ、単なる紙が商品の一部に感じられるようになることは環境を考える上でもプラスになると、自社の商品の廃棄物で混抄紙を作り、名刺やショップカード、手提げ袋、封筒や便箋等へ活用する企業が増えています。

Prev
経木を紙で再現
オリジナルで材料を開発した
紙製のわっぱ弁当箱
オリジナル製品開発
Next
石川県地産地消のパートナー
IMAGINE KANAZAWAのパートナーと叶える
紙の地産地消、資源循環
オリジナル製品開発 その他

CONTACT ご依頼・お問い合わせ

紙に関することなら、
なんでもお気軽にご相談ください。